2009年6月号(1)
「ば ら」
今月号から、花絵作家 山本敏雄さんの「季節の花」がスタートします。
「花を描いていると、忘れかけていた季節の移り変わりを感じることができます。その時々に自分の生きざまを振り返ると、人生がまるでドラマのように甦ります」。幼い頃から花と親しんできた山本さんは、自分の生きがいを考えるようになった時、迷わず花の絵を描くことを決めました。主宰している「彩花」の会では、多くの会員が創作活動を通して交流を深め、花をこよなく愛する人達の輪を広げました。
残念ながら、紙面では美しい色をお伝えできませんでしたが、webページで「愛おしい花たち」をお楽しみください。
プロフィール
山本敏雄 やまもととしお
1927年 神戸市生まれ
兵庫県文化局長、生活文化部長、理事、兵庫県文化懇話会委員を歴任。花絵作家としての創作活動の他、数多くのカルチャーセンター講師として、又フラワーソサエティ 「彩花」の主宰として活躍。
20回の個展を開催。 「野花のうた」など5冊の画文集を出版。 (北区日の峰在住)
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2009年7月号(2)
「あじさい」
2009年8月号(3)
「夕 顔」
夏の季語にもなって古くから親しまれてきたあじさいは、近年ハイドランジアとしてヨーロッパで改良されその色彩も豊かだ。朝露に濡れて咲く淡いブルーの花姿は忘れかけた日本の心風景を思い出させてくれる。
夕顔の音のしそうな蕾かな 星野椿
この暑さ忘れたかのように夕顔の花が咲く。草いきれはまだ残るのに、この純白の花だけは「ポン!」と小さな音をたてながら暮れなずむ時を深くする。
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2009年9月号(4)
「コスモス」
2009年10月号(5)
「萩」
何の花がお好きですか…と聞くと、大方が「コスモス」の名をあげる。さらにその理由はと尋ねると、夏から秋へ衣更えする季節の風にやさしく揺れるからだとか。その花姿に赤トンボも心いやされている。
月明かりの下で白い萩がほろほろとこぼれ散る。さわやかな秋風の向こうから虫の声が聞こえる。そんなひとときを私は「至福」と呼びたい。
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2009年11月号(6)
「さざんか」
2009年12月号(7)
「ポインセチア」
しきりと落葉する街の木々は心淋しくもあるが、一方、生け垣に咲き始めた赤い「さざんか」の花は、来る日の冬を明るく照らすぬくもりの灯のように思える。
雪の便りが届き、野山が静かに眠り始めると、街ゆく人の群は日々にあわただしく、花屋の店頭は赤と緑一色に包まれる。ポインセチアはこの季節の主人公か。それとも行く年の幕を引く年老いたピエロかな。
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2010年1月号(8)
「南 天
(なんてん)
」
2010年2月号(9)
「ラッパ水仙」
新春を寿ぐ花といえば松竹梅だが、私は赤い実南天が好きで年はじめの玄関には欠かせない。理由はあえて言うほどでもないが、南天は「難を転じる」と読み、この一年も健康という「福」にあずかりたいと願うからだ。
美少年ナルシスは恋慕する女性たちをすべて袖にし、水辺に映る自分の姿を見つめて水死した。その地に咲き出でたのが水仙の花だと言われる。透明感にあふれた黄白色の花はひっそりと早春の訪れを誘う。
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2010年3月号(10)
「菜の花」
2010年4月号(11)
「さくら」
菜の花の畑蝶を呼び人を呼ぶ
三月の空は明るく、野山は芽吹く。なかでも菜の花畑に蝶が舞い始め、野草を摘む人影にも早春の日の華やぎがよみがえってくる。
日本人は古くからサクラが好きで、万葉集で詠まれた歌は40首。ウメの120首には及ばないが、古今和歌集になると春の歌はほとんどサクラが占めている。さすがサクラは日本人の心である。
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2010年5月号(12)
「すずらん」
2010年6月号(13)
「つゆくさ」
少年のころ鈴蘭台の山野でよく「すずらん」の花の群生を見かけた。それは白い妖精との出会いのようだった。近年は開発が進むなかでいつしか花姿は消えたが、この花の別名「君影草」は地名として往時を思わせてくれている。
夏の朝、野道でふと出合った露草。小さな二枚の花びらだが、ひっそりと人知れず咲く可憐なこの花は、まるで青い雫のように行きずりの人のこころを濡らす思いだ。
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2010年7月号(14)
「あざみ」
2010年8月号(15)
「ほおずき」
山には山の愁いあり…で始まる「あざみの歌」は、
戦後間もなくラジオ歌謡から生まれたヒット曲の一つ。あの頃から早くも60年の歳月がたったが、初夏の野に咲くうす紅色の一輪にはいまも若き日の思い出が宿る。
夏休み。旧暦の七夕の頃になると、裏庭で忘れていた青いほおずきの実があざやかな赤に熟れる。この実を鬼灯と書くが、まこと愛らしい小鬼のランタンである。
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2010年9月号(16)
「ひがんばな」
2010年10月号(17)
「しゅうかいどう」
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という、はなやかな名でも知られるこの花は初秋の野辺のファンファーレだ。幼い頃この妖しいまでの赤さゆえか「狐のかんざし」とも呼んだ民話を思い出させる。
記録的な猛暑に見舞われた今年の夏。ベランダのベコニアも息苦しさにあえぐが、この花、別名の「秋海棠(しゅうかいどう)」とあえて呼びたい秋彼岸である。
目にしみて秋海棠の咲きにけり
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2010年11月号(18)
「き く」
2010年12月号(19)
「つ ば き」
その香りの高さと気品。晩秋の空気のなかに華やかにひらく花びらの典雅さ。そして、なぜか美しいばかりでなく、ふと静かな思いに誘う菊はやはり王花といえよう。
初雪の便りが届くと、野山や庭先を紅色のつばきが咲き始める。びろうどのような真紅な花弁、常緑の濃い照り葉は古くから霊力を宿す神秘な樹ともいわれてきた。
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2011年1月号(20)
「カ ト レ ア」
2011年2月号(21)
「ねこやなぎ」
昔から正月の飾り花は松竹梅ときまったものだが、年末知人から戴いた白い一輪のカトレアを卓上で眺めていると、若い生命力に心が満たされる思いがする。
立春とは名ばかりの寒さ。キラキラ光る水鳥の群とともに銀ねずみ色した猫柳の花が人目を引く。仔ネコの柔らかな毛並みを思わせるゆえか春の訪れを覚える。
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2011年3月号(22)
「チューリップ」
2011年4月号(23)
「す み れ」
「花びらにキスをすると、そのつぼみがパッと開き、中から小さな女の子が…」。デンマーク生まれの童話作家アンデルセンの「親指姫」はここから始まる。そしてこの妖精伝説は子供たちに夢をひろげた。
やわらかな春の光を浴びてさりげなく咲く「スミレ」。
らんまんと咲く桜とは対照的にひっそりと美しさを主張するところが大好きです。
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2011年5月号(24)
「はなしょうぶ」
2011年6月号(25)
「クレマチス」
光躍る5月の風をうけて、白に紫に咲き誇る花菖蒲。
艶やかな花を護るかのように、天にむかってすっくと立つ緑の葉は、あたかも初々しい若武者をおもわせる。
神秘の青、高貴な紫、情熱の赤、艶やかに咲き競うクレマチスは、まさに花の女王だ。
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2011年7月号(26)
「ぼ た ん」
2011年8月号(27)
「ブルースター」
長安の春。けんらんと咲き誇る牡丹の花のあまりの麗しさに城内の人みな狂おしく魂を奪われた…とか。
星型をした光沢のある青い花びら。その涼しげな花いろゆえか夏のいけ花展にはよく用いられる。
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2011年9月号(28)
「ス イ レ ン」
2011年10月号(29)
「 秋 の 七 草 」
朝日をうけて花開き、夕べにしぼむことから「睡蓮」と名づけられたとか。今日では欧米の改良もあって色彩も豊かとなり、夏の水辺に欠かせぬ花となった。
初秋の風にゆれる野の花。その名は人知れずともひっそりと咲き競う色香は今日の季節の旬に活かされて嬉しい。
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2011年11月号(30)
「 はげいとう」
2011年12月号(31)
「クリスマスローズ」
雁が飛来するころ羽色を赤く染めることからこの花を「雁来紅」と名付けた。初霜を告げる冬の色でもある。
キリスト生誕の地ベツレヘムに住む一人の少女が、日ごとこの花を捧げ祈りつづけたことから、何時しかこの花をクリスマスローズと呼ぶようになった
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2012年1月号(最終回)
「つばき(大神楽)」
朝。雪に埋もれた庭の一鉢に真紅の色のこぼれるのを見た。その名は(大神楽)。色といい形といいなんと華麗なことか。
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